世界の果てのはてな

漫画とアニメの話

再読「ガラスの仮面」

桜小路くんのガラケーショックさえ過去のことになってしまったこの平成26年、今更こんなこと書く必要あんのかよ、という感じの「ガラスの仮面」再読感想です。

ガラスの仮面」が面白いのは言うまでもないことなんですが、久しぶりに読み返す機会が生じたので改めてどこが良いのか3点、簡単にまとめてみました。
初めて読んだ時も確か同じところに感動していたような記憶があるので、多分20年後に読んでも同じところで唸らされるのだと思います。将来このエントリを読み返す自分にも向けて備忘録的に。*1

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Twitterで感想をちょこちょこ書いていたら後輩が「月影先生が同人作家の進捗を見守るbotあったら良さそう」と言い出したので探したけど見当たりませんでした。あったら誰か教えてください。もしくは誰か作って……(自分でやれよ)*2
でもこれ「サディスティック19」に似たようなネタがあったような気がしてきた。てゆうか字書きの人に合わないネタですいません。

というわけで以下、良いと思った点など。

1. きちんと段階を追って、マヤに演劇のテクニックを教えている

序盤はとにかく無茶なスパルタ教育が行なわれて何このブラック指導……と思うのですが、月影先生の巧みなコーチング術にはシャッポを脱がざるを得ない。

マヤは生まれ持った演劇の才能で周りの度肝を抜きまくり、多くの人に認められていきますが、演劇は1人のファンタジスタのみによって成否が決まるものではありません。最初は「ひとりジョーズの素人」でしかなかったマヤに、段階を追って「他の人と呼吸を合わせることの大切さ」や「演劇は役者だけでなくスタッフの皆さんの助力もあって完成するもの」などが教えられていきます。ここが良い。こういうのを滅茶苦茶丁寧にやってるから話が長くなっても仕方ない…………仕方ないのです……。途中で「TVドラマ用芝居と舞台用芝居の違い」*3を教えてくれるところもgood.

2. 亜弓さんかっこいい

ライバルの亜弓さんが素敵すぎる。最初の方は意地悪なんだけどマヤを好敵手として認めた後の亜弓さんはカッコ良すぎ。特に対乙部のりえ戦の亜弓さんによるマヤの仇討ちは素晴らし過ぎて悶絶。亜弓さんライバル百合キマシ。

物語を盛り上げるためにあからさまな意地悪をするキャラが出てくる話ってあまり好きじゃないのですが、亜弓さんのおかげで全部チャラになってるように感じます。亜弓さんをきちんと、紅天女の座を奪い合うに相応しい人格と力を持ったキャラクターとして描いているからこそ他のトラブルが良いスパイスとして作用している。

3. 主人公補正の体現「紫のバラの人」

マヤは演技は上手いのですがそれしかできない所謂「役者バカ」な上に、全然お金が無いのでスタート時点の境遇はかなり詰んでます。人生なかなかのハードモードです。
天性の才能だけではどーにもできなさそうなその境遇をフォローしてくれるのが「紫のバラの人」です。

紫のバラの人のおかげで「親方!空からお金が降ってきた!」みたいな状況が頻発するけど紫のバラの人のやってることだから仕方ない。普通だったら「主人公に都合良過ぎwww」と思われてもおかしくないけど紫のバラの人のやってることだからみんな割とすんなり受け入れてるのではないかと思います。真澄さんが白目になって身悶えてるところにみんな……誤魔化されてる!!

つくづく、上手い仕組みを作ってある物語だなあと感じます。

まさかこのエントリでこれ買う猛者いねーと思うけど……一応貼っときます。確か今電子書籍だと買えないんすよね……一時期出てたらしいのに。

ガラスの仮面 第1幕 [DVD]

ガラスの仮面 第1幕 [DVD]


流石に1984年のアニメ版は見たことないです。舞台とかも見てない。
この2005年のアニメ版は、「ふたりの王女」を2回に渡って丁寧にやってたところが良かったように記憶しています。あと亜弓さんが矢島晶子さんなのでちょっとリリーナ・ドーリアンぽい。

てゆうかテレ朝のドラマ版を紹介したかったのにDVD化されてねえええええ!!!このドラマ版の野際陽子さんによる月影先生は本当に漫画の中からそのまま抜け出てきたようで素晴らしかったです。*4

あと「ガラスの仮面」カルタは友だちの家で飲んだ時にやりましたけど面白かったですね。あれ買っても実際プレイできる人あんまいないと思う……。アメトークの特集も異常に白目と紫織さんに特化してて面白かった。

以上です。

*1:20年後もこのエントリが読める状況になっていることを祈ります。特に株式会社はてなが存続していることを強く希望します。

*2:#java-ja jojoとか参加してた方なら面白いの作ってもらえそうと思いましたがジョジョと違ってガラスの仮面java-jaの人に読まれてなさそう〜〜。ていうか今は特殊なスキル無くてもツールでbot作れるみたいですね。あと月影先生ジョジョコラは大変面白いですね

*3:TVドラマはシーンごとの溜め撮りなどでコマ切れ演技をすることになり、役に入り込むのが舞台より難しい。とかなんとか

*4:これと並ぶ「作品の中から抜け出てきたようなキャスティング」、私の中ではすげー昔にやってたHUNTER×HUNTERミュージカルのヒソカしかいません。声優も髪型も同じで凄かった