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漫画とアニメの話

みんな大抵他人にとっては脇役(「昴」「MOON」感想)

前回のゾンビ屋れい子に続いての「片付けついでにちょっと前の漫画を読むシリーズ」次は「昴」「MOON」です。

手元にあるもののずっと読んでなかった作品なので再読ではなく初読。以下ネタバレあるのでお気をつけ下さい。もう結構前の漫画だけど一応……。

昴(1) (ビッグコミックス)

昴(1) (ビッグコミックス)

 

 

 

すげー面白くてあっという間に全20冊読んじゃいました。

最後の方、打ち切りと考えてる人もいるらしくて、真偽は分かりませんが確かにちょっと唐突な終わり方だなとは思いました。でもこの漫画は基本「すげえバレエやり続ける」って展開しか無いのであれはあれで上手い終わらせ方なんじゃないかな。読者に想像の余地を持たせてくれる。ちなみになんだかんだですばるちゃん大好きな真奈ちゃんが好きです。憎悪百合。

たまにすごい使い捨てキャラがいる

そんなことをつらつらとTwitterに投稿して、反応があった友人とやりとりしてて気付いたんですが、すばるちゃんのライバルとして満を持して登場したと思ったカティア・ロール。こいつ超スピードで消えてる。言われるまですっかり忘れてました。出てきた時は「こいつやっと出てきたよ!」って興奮したのに。それ以外の盛り上がりがすごくてあっという間に忘却の彼方へ……。

思い出してみると序盤で出てきた弟似の男性。確かたかこが連れてた人。こいつもすばるちゃんと恋仲にでもなるのかと思いきやその後全然出なかった。

フィクションにおいてこういうのはありえなくないですか?伏線張りっぱなしというか伏線の無駄遣いというか。

みんな大抵他人にとっては脇役

でも人生そんなもんだよねっていうか。現実世界だったら、誰かの人生に意味ありげに登場した人が、その人に対して必ず何かすごいことをするわけでもない。8年付き合ったけど結局結婚しなかった恋人とか。すごい憎んでたけど割とあっさり死んじゃった姑とか。後で振り返って考えると自分の人生の中の一時期共に過ごしてただけの人間だよなって。そう考えたらカティアも弟似の人もあっという間に消えたけどまあそれはそれでアリだと思えるようになりました。ていうかその方がある意味リアルかも。

 

以上、私が見た限りでは、他の漫画とか小説ではあまり見ない感じのキャラクターの使い捨てっぷりだったのでちょっとまとめておきたくなった次第です。ギャグ漫画の一発キャラなら仕方ないけどストーリー漫画でこれは珍しいと思う……他の曽田作品読んでないからシャカリキとかで似たケースがあるのかどうかは分かんない。

 

あとは……「昴」はバレエやりたくならないけどバレエ見たくなる漫画でした(仮に昴読んでバレエ始めても昴レベルまで行くのは無理だ)

今更ですがこの手の漫画は「読んで自分もやりたくなる(主人公と読者の距離が近い) 努力主人公タイプ」「読んで憧れるだけ(主人公と読者の距離が遠い)天才主人公タイプ」の2つに分かれるのかなと再認識しました。これまでに自分が感想を書いた漫画の中では「神々の山嶺」に近いものと分類できます。「背すじをピン!と」とは明らかに違う。

 

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神々の山嶺感想書いてます。羽生がすばるちゃんと同じ天才タイプ。いや軽々しく天才とかいうと「努力とか苦労してない天才」とみなしてると思われがちなんですが勿論そんなことなくて。天才って「それしか考えられない天才」みたいなとこありますよね。

 

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こっちは「読んでやりたくなる」タイプの話。結局まだ行ってないけどいつかとりあえず体験レッスン行きたい。